スタックの状態を図示するpython3プログラム
スタック志向プログラミング言語の解説用に製作しました(誰得)。
スタックの状態を記述したテキストファイルを作ります。
[1,2,3
E
これを「sample001.txt」という名前で保存し、stackVisualizer.pyを実行します。
python3 ./stackVisualizer.py sample001.txt
以下の画像が出力されます。
- スタックの状態図を効率よく作成できます。
- 出力画像はSVG(ベクタ)、PNG(ラスタ)の2種類出力されます。
バージョンはいずれも検証時のものです。
- python3 (3.9.6)
- 以下のpythonモジュール
- svgwrite (1.4.1)
- CairoSVG (2.5.2)
特別なインストール手続きは不要です。
あえて手順を書くなら以下の通りです。
- python3をインストールする。
- pip3 installなどを駆使して、svgwriteとCairoSVGをインストールする。
- stackVisualizer.pyをお好みのディレクトリに配置する。
- 実行する。例えば以下のように。
python3 ./stackVisualizer.py sample001.txt
stackVisualizer.pyはテキストファイルを1つ引数に取ります。
それ以外のオプションはありません。
オプションに相当するものは上記テキストファイル内に記述します。
テキストファイルは行ごとにスキャンされます。
各行の処理内容は行頭の1文字目によって決定されるため、
行頭に余計な空白文字(スペース・タブなど)があると正しく動作しません。
また、以下では英字の大文字・小文字は区別されます。
行頭がE
の行は、ファイル終端を表します。
これ以降の行は無視されます。
この行は必須ではありませんが、
この行がないと記述通りの挙動とならない場合があります(後述)。
行頭が%
の行は、コメントを表します。
この行の記述内容は無視されます。
なお、行の途中からのコメント指定はできません。
行頭が[
の行に、スタックの中身を記述します。
- スタックの要素はカンマ
,
、セミコロン;
、または、バーティカルバー|
で区切ります。,
は単純な要素の区切りを示します。;
と|
は、要素の区切りとグループの区切りを示します(後述)。
- スタックの要素名には、「上記区切り文字と改行文字」以外の任意の文字が使えます。
- 行頭がスタックボトム、行末がスタックトップとなるように、要素を順次記述します。
- ひとつのファイルには、複数のスタックを記述できます。
- 複数のスタックを記述した場合、各行ごとに別々のファイルが出力されます。
セミコロン;
とバーティカルバー|
によって、スタックの要素をグループ分けできます。
たとえば、次の記述では、a
、b
、c
が第一のグループ、
d
、e
が第二のグループ、f
が第三のグループになります。
[a,b,c|d,e;f
なお、現時点では;
と|
の機能に差はありません。
以下の文字で始まる行は、スタックの属性を指定します。
スタックの属性は、最後に記述されたスタックに対し、適用されます。
行頭がP
または#
の行には、スタック要素の背景色を記述します。
#
以降に6桁の16進数を記述すると、その行全体をHTMLコードと見なしたときの色が指定されます。P
以降に以下のいずれかのアルファベット1文字を指定すると、プリセットされた色が指定されます。w
:白(#FFFFFF
と等価)r
:赤(#FFCFCF
と等価)y
:黄(#FFFFCF
と等価)g
:緑(#CFFFCF
と等価)c
:シアン(#CFFFFF
と等価)b
:青(#CFCFFF
と等価)m
:マゼンタ(#FFCFFF
と等価)o
:オレンジ(#FFCF7F
と等価)k
:灰(#CFCFCF
と等価)
- 要素の背景色は、スタック要素のグループごとに適用されます。
- スタックがグループ分けされていない時は、全要素の背景色を指定できます。
- スタックがグループ分けされている時は、要素の背景色を複数行にわたって指定します。
- 背景色の指定は、左端のグループから順に適用されます。
- グループの数より少なく背景色が指定された場合、指定されなかったグループの背景色はデフォルトの白となります。
- グループの数より多く背景色が指定された場合、超過分の背景色指定は無視されます。
[a,b,c|d,e;f
#FF7F7F
Py
E
第一グループのa
、b
、c
にはカラーコード#FF7F7F
が、
第二グループのd
、e
にはプリセットの黄色が、
第三グループのf
には(指定がないため)デフォルトの白が、
それぞれ指定されます。
行頭がS
の行には、出力ファイルのサフィックスを指定します。
- 行頭の
S
の直後から、サフィックスの文字列を記入します。 - 指定がない場合は、何番目に出力されたかを示す連番がサフィックスとなります。
- 出力ファイル名は「入力されたテキストファイル名+'-'+サフィックス+'.svg'」、または、 「入力されたテキストファイル名+'-'+サフィックス+'.png'」となります。
行頭がN
の行には、出力ファイルの連番付きサフィックスを指定します。
- 行頭の
N
の直後から、サフィックスの文字列を記入します。 - 指定がない場合は、何番目に出力されたかを示す連番がサフィックスとなります。
- 出力ファイル名は「入力されたテキストファイル名+'-'+連番+'-'+サフィックス+'.svg'」、または、 「入力されたテキストファイル名+'-'+連番+'-'+サフィックス+'.png'」となります。
S
もN
も指定がない場合は、同一のファイル内で何番目に出力されたかを示す連番がサフィックスとなります。- つまり、出力ファイル名は「入力されたテキストファイル名+'-'+連番+'.svg'」、または、「入力されたテキストファイル名+'-'+連番+'.png'」となります。
- 同一のスタックに対して複数の
S
、N
が指定された場合は、最後に指定された属性に基づいてファイル名が決定されます。
[a,b,c,d,e
Sfirst
[f,g,h,i
[j,k,l
S3rd
[m,n,o,p,q
S4th
Sfour
Nfourth
E
このテキストを「sample003.txt」という名前で保存して、以下のコマンドを実行します。
python3 stackVisualizer.py sample003.txt
この時、1つ目の画像は「sample003.txt-first.svg」(または.png)となります。
2つ目の画像は(指定がないため、連番の「2」が自動で指定され)
「sample003.txt-2.svg」(または.png)となります。
3つ目の画像は「sample003.txt-3rd.svg」(または.png)となります。
4つ目の画像は「sample003.txt-4-th.svg」(または.png)となります。
(最初にS
によって'4th'、'four'が順次指定されますが、その後N
によって'fourth'に変更されます。)
以下の文字で始まる行は、スタックの恒久的な属性を指定します。
スタックの恒久属性は、その直前に現れるスタックに対して適用され、
さらにその後のスタックに対しても適用されます。
次にスタックの恒久属性が再度指定されるまで、適用され続けます。
行頭がW
の行で、スタック要素の幅を指定できます。
正の整数で指定し、デフォルトは50、最小値は1です。
0以下の数を指定すると、デフォルトの値が指定されます。
行頭がH
の行で、スタック要素の高さを指定できます。
正の値で指定し、デフォルトは30、最小値は1です。
0以下の数を指定すると、デフォルトの値が指定されます。
行頭がF
の行で、スタック要素のフォントサイズを指定できます。
正の値で指定し、単位はpt、デフォルトは16、最小値は1です。
0以下の数を指定すると、デフォルトの値が指定されます。
行頭がX
の行で、X方向の隙間を指定できます。
正の整数で指定し、デフォルトは6、最小値は1です。
0以下の数を指定すると、デフォルトの値が指定されます。
行頭がY
の行で、Y方向の隙間を指定できます。
正の整数で指定し、デフォルトは4、最小値は1です。
0以下の数を指定すると、デフォルトの値が指定されます。
行頭がL
の行で、スタックの枠線太さを指定できます。
正の値で指定し、デフォルトは2、最小値は1です。
0以下の数を指定すると、デフォルトの値が指定されます。
行頭がl
(アルファベット'L'の小文字)の行で、
スタック要素の枠線太さを指定できます。
正の値で指定し、デフォルトは2、最小値は1です。
0以下の数を指定すると、デフォルトの値が指定されます。
行頭がD
の行で、スタックの向きを指定できます。
アルファベット1文字で指定し、デフォルトはV
です。
H
が指定された時は、スタックは横向きになります。- 左がスタックボトム、右がスタックトップです。
V
が指定された時は、スタックは縦向きになります。- 下がスタックボトム、上がスタックトップです。
- その他のアルファベットが指定された時は、
V
を指定した時と同じ挙動となります。
以下のテキストをstackVisualizerにかけると、
[a,b,c
[width1,width2,width3,width4
W150
[maintained,is,width,and|changed,is,height
H50
[font,large
F50
[dflt.
F-1
W-13
H0
E
上から順に次のような画像が生成されます。
[x-dir.,in,the gap,changed
W100
X10
E
[y-dir.,in,the gap,changed
W100
Y10
E
[line,thin,with,stack,and|line,thick,with,block
F10
L1
l3
Pb
Pr
E
[stack,runs,horizontally
DH
W200
E
ファイル終端を表す行(行頭E
)の指定は
必須ではありませんが、記述することを推奨します。
stackVisualizerでは、各行を解析する際に、
改行文字を削除するため、行末の1文字を一律除去しています。
したがって、ファイルの最後の行の末尾に改行をつけ忘れると、
ファイルの最後の行が正しく解釈されなくなる可能性があります。
ファイル終端を表す行を書くことで、
必然的にその直前の行までが改行文字で終わることが保証されるため、
この行の記述が推奨されています。
BSD 3-Clause License (LISENCE)参照
Y-mos
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